Non-native speaker が外国語で論文を書くのは容易なことではありません。英文校閲業者に依頼してネイティヴチェック済みの論文でも、査読者に語学的問題を指摘された経験を持つ人もいるかもしれません。実際「文法的には間違っていない」文章でも、読みにくい文と、内容が伝わりやすい文があるからです。

本ワークショップの狙いは、自分や他人の書いた文章が与える「読みやすさ」の背景にある「カラクリ」を読み解き、校閲スキルを磨くことで、校閲業者には必ずしも期待できない質の高い推敲を自力で始められるようにすることにあります。

イギリスの著名な作家であるジョージ・オーウェルは、以下のように書き記しています。

I am going to translate a passage of good English into modern English of the worst sort. Here is a well-known verse from Ecclesiastes:

I returned and saw under the sun, that the race is not to the swift, nor the battle to the strong, neither yet bread to the wise, nor yet riches to men of understanding, nor yet favour to men of skill; but time and chance happeneth to them all.

Here it is in modern English:

Objective considerations of contemporary phenomena compel the conclusion that success or failure in competitive activities exhibits no tendency to be commensurate with innate capacity, but that a considerable element of the unpredictable must invariably be taken into account.

This is a parody, but not a very gross one.

参考文献:George Orwell, ‘Politics and the English Language’

また、歴史学に携わる研究者たちのあいだでそうした文章の書き方を議論することで、歴史学分野に特化した英語論文の書き方を習得することも、本ワークショップのゴールの一つです。複雑な背景を冗長にならないように説明したり、特定の人物の境遇を伝える語句の微妙なニュアンスを加えたりといった、歴史学の論文執筆に必要なスキルを学べるのは、歴史学研究者の集まる場ならではの特徴です。

英文校閲ワークショップはこれまで第1期、第2期、第3期と開催を続けてきました。過去の活動についてはこちらをご覧ください。第4期は2021年4月から開催予定です。参加希望の方は、こちらから歴史家ワークショップ事務局までお知らせください。担当者におつなぎします。