歴史家ワークショップ事務局の鈴木路子特任研究員が、米国コロンビア大学出版より英文の学術書Humanitarian Internationalism Under Empire: The Global Evolution of the Japanese Red Cross Movement, 1877-1945 を刊行しました。本書は新年早々、ニューヨークで開催された世界最大の歴史学会(The American Historical Association (AHA) Conference)の出版社ブースで大々的に紹介されるなど、世界の日本史研究でも注目されています。
この度、アメリカ発のModern Japan History Association(日本近現代史学協会)で、オンライン出版記念討論会が開催されます。討論者には、アメリカ気鋭の歴史家ジェサミン R. エイブル氏(ペンシルベニア州立大学)をお招きします。討論会は一般公開ですので、ぜひ、奮ってご参加ください。
開催概要
日時:2025年2月4日 9:00-10:30(JST)|2025年2月3日 19:00-20:30 (EST)
会場:オンライン
使用言語:英語
題目:New Books on Japan: “Humanitarian Internationalism Under Empire: The Global Evolution of the Japanese Red Cross Movement, 1877–1945”
要旨:明治開国以来、多くの自然災害に襲われた市井の人々、帝国主義と植民地獲得競争の時代に厳しい国家の舵取りを負わされた近代日本。日本の赤十字運動はこの激動の明治から昭和の大戦まで、社会階層や国境を越えて人々に浸透し、世界最大の赤十字運動に成長した。近代化以前からあった日本の相互扶助の伝統が西洋から新たに入ったムーブメントに邂逅することで、日本独自のハイブリットな人道運動が形成されていった。本討論会では、トランスナショナル・ヒストリー(越境する歴史)という視座によって、一つの国家、言語には収まり切らない歴史として、日本の赤十字運動と人道の歴史について再考する。人道を戦争や災害といった近代人特有の苦しみの中で勃興した地球規模の運動体として定義し、困難に寄り添った人々の歴史に光を当てるとともに、21世紀の今だからこそ語るべき日本の近現代史について考察する。
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