歴史家ワークショップ事務局の鈴木路子特任研究員が、米国コロンビア大学出版より英文の学術書Humanitarian Internationalism Under Empire: The Global Evolution of the Japanese Red Cross Movement, 1877-1945 を刊行しました。本書は Amazon等でベストセラーになるなど、英語圏の日本史研究でも注目されています。
そしてこの度、ロンドンにて、明治神宮国際神道文化研究所とロンドン大学SOASの共催による出版記念講演会を開催する運びとなりました。講演会は一般にも公開され、対面式とオンラインのどちらでもご参加可能です。ぜひ、奮ってご参加ください。
開催概要
日時:2024年10月2日 18:00-20:00(GMT)
会場:ロンドン大学 SOAS Djam Lecture Theatre
使用言語:英語
題目:国際協調主義の危機:第十五回赤十字国際会議(1934年 東京開催)Internationalism in Crisis: The Fifteenth International Conference of the Red Cross in Tokyo, 1934
要旨:日本の赤十字運動は第十五回赤十字国際会議(1934年)を東京で開催しました。徳川家達社長(徳川宗家第16代当主)を中心に開催した本会議は、戦間期世界最大の国際会議となり、アフリカや中東諸国を含めた五大陸から319人の代表団が参加しました。世界大恐慌、ナチス・ドイツの台頭、満洲事変の勃発、日本の国際連盟脱退という困難な時代に、満場一致で採択された東京宣言では、第二次世界大戦に先駆けて、文民保護の規定について明記しました。戦前期日本の赤十字による人道外交が、戦後の1949年ジュネーヴ条約改正の礎となった歴史的事実に光を当てます。文民保護の規定は、現在のウクライナやガザ情勢に見られるように、今日でも大きな課題となっています。