ある作家——芸術家、音楽家、小説家、詩人、あらゆるクリエイター——の作品について解釈するときにまずすることの一つは、作品が制作された背景を調べることでしょう。当時の社会事情、浸透していた思想、関連しそうな出来事なども大切ですが、作家が考えていたことを探るため、伝記を読む人も多いはず。しかし、伝記に書いてあることを、そのまま作品解釈の助けにしてよいものなのでしょうか。
また、作家に、あるイメージが付随していることがあります。富や名声に興味を示さず真の芸術を求めて自らと向き合った作家、生涯にわたって頻繁に浮名を流した愛多き作家、生前は理解者に恵まれなかったけれど、没後に大きな名声を手にした作家……。そうしたお決まりのイメージの形成に、伝記はどのような役割を果たしてきたものなのでしょうか。
こうした疑問を発端として、このたび歴史家ワークショップでは、現代日本でも有名な作家を3名取り上げ、それぞれの作家について研究してきた専門家に彼らの伝記について語っていただく連続講座を企画しました。
「伝記の読み方を考える」最新情報
過去の開催
伝記の読み方を考える Vol. 1 ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
ゲスト:かげはら史帆
企画:古川萌
2020年11月14日
伝記の読み方を考える Vol. 2 円山応挙
ゲスト:水谷亜希
企画:古川萌
2020年12月19日
伝記の読み方を考える Vol. 3 アーネスト・ヘミングウェイ
ゲスト:フェアバンクス香織
企画:古川萌
2021年1月23日