歴史家ワークショップでは、「多言語論文執筆シリーズ Vol. 21:多言語のなかの日本語 〜研究・発信の言語としての日本語を考える〜」と題したセミナーを、ハイブリッド開催いたします。実地会場は大阪の国立民族学博物館です。
今回は、日本語以外の言語を母語とする以下の3名の講師とともに、「日本語で研究を執筆・発表すること」をテーマとした対談企画を実施します。
・韓国・淑明女子大学校の助教授として戦後日本文学と冷戦文化を専門とする金志映(キム・ジヨン)先生
・金沢大学で日本文学・文化について教鞭を執り、インドの複数の言語を使って暮らしながら、英語・日本語で教育や研究活動を続けてきているセン・ラージ・ラキ先生
・近代日本文学と日チェコ文化交流研究を専門とする、チェコ出身で実践女子大学教授のブルナ・ルカーシュ先生
それぞれ生まれた地域も、アカデミックなバックグラウンドも異なる3名に、「外国語としての日本語」「日本語圏のアカデミック文化のユニークさ(自国や知っている文化圏とのちがい)」、そして「21世紀に日本語で書くことの意義」やこれから日本での学位取得を目指す外国の学生向けのアドバイスなどをお話しいただき、新たな角度から「多言語執筆」にアプローチすることを目指します。
司会は会場となる国立民族学博物館(大阪)の元研究員で、国際日本文化研究センター特任助教の、イラン出身のザヘラ・モハッラミプールが務めます。
歴史学系の学生・研究者のみならず、外国語での論文執筆、日本研究の国際化、アカデミックな日本語の勉強などにご関心のある方は、どなたでもお気軽にご登録ください。
開催概要
日時|2024年12月7日(土)15:00~17:30
前半:トーク・レクチャー(15:00〜)
後半:質疑応答(16:30~)
ゲストスピーカー|キム・ジヨン(金志映)先生(韓国・淑明女子大学校助教授/HK教授)、セン・ラージ・ラキ先生(金沢大学准教授)、ブルナ・ルカーシュ先生(実践女子大学教授)
ファシリテーター|オンサイト担当:モハッラミプール・ザヘラ(国際日本文化研究センター上廣国際日本学研究部門特任助教)、オンライン担当:中井杏奈(東京外国語大学・「公共圏における歴史(HIPS)」プログラム)
参加費|無料(要事前登録、会場参加28名まで)
会場|大阪・国立民族学博物館 第3セミナー室
お申し込み方法
こちらの登録フォームより必要事項を記入し、お申し込みください。
お問い合わせ先:a.nakai*tufs.ac.jp(本イベント連絡担当:中井杏奈)
*を@に置き換えてください。
ゲストスピーカー 略歴
キム・ジヨン/Kim Jiyoung(金志映)
淑明女子大学校人文学研究所 助教授(HK教授)
韓国ソウル生まれ。2004年、延世大学校 英語英文学科・日本学連繋専攻を卒業したあと、2007年、東京大学大学院総合文化研究科・超域文化科学専攻にて比較文学比較文化コース修士号取得。2012年同博士課程単位取得退学、2016年博士号(学術)取得。ソウル大学校 日本研究所 PD研究員(2019~2021)などを経て、2022年より淑明女子大学校人文学研究所にて助教授(HK教授)。専門は、日本近現代文学、比較文学、冷戦文化研究、ジェンダー論、翻訳論。近著に第七回ヨーゼフ・クライナー博士記念・法政大学国際日本学賞を受賞した『日本文学の〈戦後〉と変奏される〈アメリカ〉―占領から文化冷戦の時代へ』(ミネルヴァ書房、2019)など。
セン・ラージ・ラキ/Raj Lakhi SEN
金沢大学 准教授
デリー大学(インド)にて修士課程修了後、2008年に国費留学生として来日。筑波大学研究生を経て、2016年に筑波大学一貫博士課程文芸・言語専攻博士課程修了(同年博士(文学))。2017年2月から2021年まで東京外国語大学に専任講師として任務を終え、その後、同志社大学フェミニスト・ジェンダー・セクシュアリティ研究センター(F.G.S.S.) 嘱託研究員として所属し、研究活動をしながらイタリアやその他の国や地域の大学でゲスト講師として日本文学関連講演を実施。2023年11月に金沢大学着任。日本文学や文化、ジェンダー、翻訳論に関する授業を担当し、研究対象は日本近現代文学と法・法制度である。この企画関連での近著に、「日本文学研究のための英語――世界との対話のための英語による日本文学研究」小松靖彦編『文化交流入門』2023年。また、文学と法の観点から「「ゆく雲」「うつせみ」「われから」における「婿/養子」法・制度——「一人娘」たちの「煩悶」『文学・語学』第213号, 2015年を上梓。世界文学分野では「パンデミックの言説ーインドのパンデミック「ポップテクスト」における「スーパーヒーロー」の出現と多様性をめぐって」Αυριον, 21号, 171-193頁, 2022年など。
ブルナ・ルカーシュ/Lukáš BRUNA
実践女子大学 教授
チェコ共和国生まれ。プラハのカレル大学文学部日本学科を卒業。卒業後に来日し、早稲田大学大学院で日本近代文学を学ぶ。2016年に同大学で博士号を取得し、実践女子大学の助教に着任。現在、同大学の教授。日本近代文学、比較文学を専門とする。近年は日本近代文学におけるゴーリキーの受容・影響や中欧の近代文学にみるジャポニズムの表象、チェコの女性旅行家B・M・エリアーショヴァーなどを研究対象にしている。