第68回日本西洋史学会ランチタイム・ワークショップ「国際学会を有意義なものにするために」

開催主旨

本ランチタイム・ワークショップは、西洋言語(英仏独伊語)を用いた国際学会を、さまざまな形で経験されてきた3人の研究者から体験談を伺い自由な討論を行うことで、スキルと経験を共有し、外国語でコミュニケーションをする意義を考えることを目的としています。

近年、日本の西洋史研究者と海外の研究者との交流はますます盛んになり、海外での史料・文献調査や来日する外国人研究者による講演会はもちろん、国内外で研究成果を外国語で発表することも求められてきています。

しかし、日本語の発表内容をそのまま翻訳したのではうまく通じない場合があるのも事実です。では、日本人研究者が、国際学会で発表し、国際学界との交流を深めたいと願ったとき、どのような点に注意を払って報告を準備し、口頭報告をし、他の参加者と交流を深めていくのが望ましいのでしょうか。日本語での報告との共通点・相違点は何でしょうか。国際学会において良い報告とはどのようなものでしょうか。

また、本ワークショップは、日本の西洋史研究者が経験する国際的な学問的コミュニケーションのありかた自体について考察する場でもありたいと考えています。そもそも研究者を国際交流にうながす契機やモチベーションは何でしょうか。そして国際的コミュニケーションの経験は、どのように日本での研究活動にフィードバックされるのでしょうか。

国際的な学問的交流に豊富な経験をお持ちの方々から漠然とした憧れを持つ大学院生の方々まで、それぞれのお立場からご参加いただき、討論に加わっていただきたく存じます。これから発表を行う若手の率直な疑問だけでなく、異なる言語環境や専攻分野の国際学会で発表された方が持つ疑問なども出てくることで、活発な議論が期待されます。本ワークショップが、西洋史学会大会における新たな交流の場となることを願っています。

昼食をご持参のうえ、お気軽にご参加いただくようお願い申し上げます。

*本ワークショップの企画は、歴史研究を広く日本社会と世界に発信するための拠点形成を目指す若手・中堅の西洋史研究者有志が運営する「歴史家ワークショップ」が立案しました。歴史家ワークショップの紹介とこれまでの活動についてはここからご覧ください。

これまで、日本西洋史学会との関連では、2016年と2017年の大会時には、各大会開催校(慶應義塾大学、一橋大学)のご理解とご協力を得て、正式プログラムの終了後に、ワークショップ「How to get your monograph published」、「How to get your articles published」をそれぞれ開催しました。さらに2017年9月には東京大学にて、ワークショップ「国際学会へ行こう」を開催しました。今回のワークショップはこれらに続く企画であり、日本西洋史学会の公式プログラムの一部として開催することでさらなる展開を期すものです。

第68回日本西洋史学会大会(2018年、広島大学)の詳細は以下から:

http://www.seiyoushigakkai.org/2018/index.html

ワークショップ詳細

日時: 2018年5月20日(日)12:30-13:50

会場: 広島大学東千田キャンパス未来創生センター2階 M204講義室

留意していただきたいこと:

大会2日目の自由論題報告と小シンポの間のお昼休みに開催です(昼食をご持参ください)

・近代史部会 2-4 が 12:40 まで予定されており、本ワークショップの開始と一部重なります。この点、ご理解いただけますようよろしくお願いします。

プログラム

司会進行 松本涼(福井県立大学)(中世アイスランド史)

12:15- 開場

12:30-12:35 趣旨説明     正木慶介(愛知県立大学)(近代イギリス史)

12:35-12:45 話題提供・報告1 木村容子(大阪市立大学)(中世イタリア史)

国際学会に参加する:中世説教研究の場合(伊語・英語)

12:45-12:55 話題提供・報告2 藤井崇(関西学院大学)(ヘレニズム史・ローマ史)  

国際学会に参加する・国際学会を開催する

12:55-13:05 話題提供・報告3 剣持久木(静岡県立大学)(現代フランス史)

国際学会に参加する/で報告する:公共史という視点

13:05-13:50 討論