第9回は10月11日に京都大学での開催でした。2月の大阪大学での開催の成功と皆様の要望を受けて、今年二度目の関西での開催を実現することができました。
台風19号の影響で遂行できるかどうか不安もありましたが、遠方からの報告者の発表順番の調整や、旅程の変更に伴う旅費面でのサポートなどの運営委員による対応と、参加者の熱意と協力のおかげで無事に開催でき、しかも33名の参加という大盛況でした。
今回は、日本近代史、日タイ関係史、イギリス史、西洋美術史、中国現代史などさまざまな分野にわたる7名の発表者が集まりました。司会は京都大学のスティーブン・アイビンス(Steven Ivings)さんと久野愛さんが担当し、名古屋大学のネイスン・ホプソン(Nathan Hopson)さんがゲスト・コメンテーターをつとめ、質疑応答に関するノウハウなどについてアドバイスしました。
今回のResearch Showcase Prizeは、前回の東京RSと同じく、同点一位で趙雅萌さんと水野良哉さんの二名の発表者が選ばれ、ゲスト・コメンテーターのホプソンさんから賞状が授与されました。
今回も発表者の方々に、アンケートに協力していただきました。以下、一部を紹介します。(アンケート内容より抜粋)
■ 準備と発表を通して楽しめたこと、苦労したこと
【楽しめたこと】
・会終了後に他の発表者と発表内容について議論したことは非常に楽しいと感じた。今回の発表者は自身のフィールドと離れた研究者の方も多く、その視点は新鮮かつ参考になった。
【苦労したこと】
・英語に苦労したのはもちろんですが、8分という限られた持ち時間かつ必ずしも前提知識を共有しない聴衆を前にしていかに「伝わる」発表原稿を作り上げるかということです。逆にそれが醍醐味でもありました。
■ 今回の Research Showcase で学んだこと(例えばプレゼンや準備の方法などについて)
・学術報告において、語学の壁を必要以上に感じない方が良い、という事であろうか。たしかに自身を振り返れば、当日は他の報告者の語学力に圧倒され、質疑応答も満足にできたとは言い難い。逆にいえば、その程度の語学力でも、しっかりと準備すれば、報告を完遂できる。
・発表原稿やパワーポイントを直前まで粘って作成するのもいいが、必ず発表のリハーサルをしておくこと。身振りやジェスチャーも交えて。
・発表の中で少しでもいいから史料を見せることです。歴史学の研究のなかで史料は重要であることは言うまでもありません。たとえ、英語で表現することが難しいとしても、史料を提示して、「史料にはこう書いてあるから、このように解釈することができる」という議論を組み込んで発表したほうが、説得力を持って相手に伝えることができる。
まとめ
今年二回目の関西での開催となったRSは、京都大学の皆さまのご協力のお陰で、盛況のうちに終えることができました。京都大学の久野さん、Ivingsさん、金澤さん、そして告知にご協力いただいた皆様に感謝いたします。Research Showcaseは首都圏を超えて全国に広がりつつあります。次回は、2020年2月18日に名古屋大学にて開催予定です。はじめての名古屋での開催となります。Call for Papersは近日公開予定です。ご期待ください!
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