私は 2017年3月の第4回リサーチ・ショウケースに参加しましたが、そこでの経験は、留学前後ともに私の糧になっています。
私は2018年10月からヨーク大学(英国)大学院の英文学部博士課程に進学し、15世紀北ヨークシャーで編纂され、読まれた写本における地理的・空間的想像について、特に聖地の表象に焦点をあて研究を行なっています。
私は2017年3月の第4回リサーチ・ショウケースに参加しましたが、そこでの経験は、留学前後ともに私の糧になっています。たとえば、多分野から成る聴衆が前提であるリサーチ・ショウケースでは、専門分野外の人にも理解されるよう自分の研究プロジェクトを英語で効果的に資料を用いて説明することが求められます。この経験は留学のための奨学金を得るための英語での口頭審問でも(審査委員が自分の専門分野の研究者とは限らない)、学会応募のための要旨の執筆でも役に立ちました。2020年5月のカラマズー(米)の国際中世学会・2020年7月の国際アーサー王学会ともに、発表許可を得ることができました(ともに新型コロナウイルスの流行のため中止)。
また、リサーチ・ショウケースで得た発表原稿やパワーポイント作成のためのアドバイスは、ヨーク大学での院生同士の勉強会で発表をする上でも参考になりました。
中世研究センターを擁するヨーク大学への留学を通じ、考古学や歴史、美術史、哲学・思想史などの多様な分野の研究者が、自由かつ活発に、相互に協力をしながら研究を進める様子を間近に知ることができました。
リサーチ・ショウケースによって得られる他分野の聴衆への意識や英語での口頭発表の機会は、留学に向けた準備になることはもちろん、⻑い目で見れば、同センターで行われているような学際的な研究が一層進展する最初の一歩になるかもしれません。
そのため、今後リサーチ・ショウケースへの参加を検討している若手研究者には、ぜひ臆せず参加して欲しいと思います。そうすれば研究の幅がより広がり、何よりも自分のプロジェクトが一層面白く刺激的になるだろうと考えています。
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