報告原稿への丁寧なフィードバックやスライドへのアドバイスをいただき、自信を持って当日の報告に臨むことができました。
2020年11月よりERCシナジープロジェクト “The European Qur’an”・コペンハーゲン大学神学部博士候補生の稲垣健太郎です。17・18世紀ヨーロッパの東洋学者たち、特にライデン大学で学んだのちオランダ連邦共和国の外交官としてイスタンブールに滞在したレヴィヌス・ヴァルナー(Levinus Warner, d. 1665)が、クルアーンやハディースをどのように読んだのかをテーマに博士論文の執筆を進めております。
2020年2月に開催された第10回リサーチ・ショウケースは、留学やその後の研究にとってとても重要な契機となりました。リサーチ・ショウケースでは、専門を必ずしも共有しない幅広い聴衆に向けて自身の研究の新しさや重要性、面白さを伝えることになります。報告を準備するなかで、研究の位置付けを十分に考え、史料の紹介・分析なども交えつつ研究の強みを簡潔に紹介した経験は、現在参加しているプロジェクトへの応募の際にも非常に有益でした。
また、リサーチ・ショウケースへの参加は、国際学会の場で積極的に報告することにつながっています。2020年6月に予定されていた第9回Scientiae Conference(コロナ禍のため2021年6月にオンライン開催)や2021年12月に開催予定の”European Perspectives on the Qur’an”と題された国際ワークショップでの報告が決定しています。
私自身、リサーチ・ショウケースでの報告以前には英語での学術的な報告をほとんど経験しておらず、手探りの状態で原稿の執筆を始めました。ですが、報告原稿への丁寧なフィードバックやスライドへのアドバイスをいただき、自信を持って当日の報告に臨むことができました。今後リサーチ・ショウケースへの参加を検討されている方には、臆することなくリサーチ・ショウケースを楽しんで欲しいと思います。さまざまな機会につながるだけでなく、研究をより充実したものにもできるはずです。
英文校閲ワークショップやピア・サポート、リサーチ・ショウケースをはじめとする歴史家ワークショップの活動が今後も継続することで、国内外で活躍していく研究者はさらに増えていくと思います。真摯な歴史研究の挑戦と面白さがいまにも増して多くの人に共有される。歴史家ワークショップの活動はそうした将来への大きな一助になると思います。
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