【開催告知】配信時代のアウトリーチ(9/25 21:00-)

「私たちの研究は私たち以外に届いているのだろうか?」
…研究者なら1度は考えるだろうこの問いに、あなたはどう答えを出しますか。

近年、大学が生み出す知、とくに人文学の知が軽視されるなかで、研究者による社会へのアウトリーチの重要性が叫ばれています。2019年7月に開催した企画「バズる(?)アウトリーチのすすめ——公益性のある情報発信に向けて」では、研究者はいかにアウトリーチすべきか、若手研究者2名、編集者1名からお話を伺いました。

ですが、研究者がアウトリーチを行ったとして、はたしてそれは「アカデミア外」に届いているのでしょうか。YouTube、オンライン・セミナー、podcast etc…歴史にまつわる「面白く」て「ためになる」コンテンツは、今も昔もさまざまなメディアに溢れています。そのなかで研究者の発信は「小難しくて」「簡潔でない」つまらないものと看做されてはいないでしょうか。

本イベントでは、アカデミア内外で活発な活動を繰り広げる2人の研究者をお呼びし、配信時代のアウトリーチについてお話を伺います。YouTubeが主な情報インフラと化し、学術交流の中心もオンラインに移行しつつある現代にあって、研究者によるアウトリーチの可能性はどう開かれているのでしょうか。

さあ、あなたも一緒に「配信時代」のアウトリーチについて考えてみませんか?

日時・場所

日時|2021年9月25日(土)21~23時
場所|歴史家ワークショップ公式YouTubeチャンネル生配信
参加登録|不要

当日はTwitterハッシュタグ #歴史家ワークショップ にてコメントや質問も受け付けます。

登壇者

藤村シシン|古代ギリシャ研究家
高校の時にアニメ『聖闘士星矢』に熱中し、以来古代ギリシャ史の世界に。東京女子大学大学院(西洋史学専攻)修了。NHK講座講師、執筆、監修などのかたわら、古代ギリシャの祭りを再現する「古代ギリシャナイト」を主宰。著書に『古代ギリシャのリアル』(実業之日本社)、『小学館の図鑑NEO 星と星座(新版)』監修協力、2020年東京オリンピック採火式NHK生中継での古代ギリシャ語同時翻訳など。
YouTubeチャンネル「藤村シシン古代ギリシャ

ヒロ・ヒライ|コロンビア大学リサーチ・アソシエイト(ルネサンス学)
1999年より学術ウェブサイト bibliotheca hermetica(略称BH)を主宰。同年にフランスのリール第三大学にて博士号(哲学・科学史)取得。欧米各国の研究機関における研究員を歴任。英仏伊語による編著・論文多数。2012年に第九回日本学術振興会賞受賞。編著書に『ルネサンス・バロックのブックガイド』(工作舎)など。
YouTubeチャンネル「BHチャンネル


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歴史家ワークショップ支援基金

一般向け連続講座「伝記の読み方を考える」第3回開催のご案内

歴史家ワークショップでは、2020年11月から2021年1月にかけて、一般の聴衆向けに連続講座「伝記の読み方を考える」(全3回)を開催します。新型コロナウィルス感染拡大防止のため、イベントはオンラインでおこない、YouTubeで配信します。


ある作家——芸術家、音楽家、小説家、詩人、あらゆるクリエイター——の作品について解釈するときにまずすることは、作品が制作された背景を調べることでしょう。当時の社会事情、浸透していた思想、関連しそうな出来事なども大切ですが、作家が考えていたことを探るため、伝記を読む人も多いはず。しかし、伝記に書いてあることを、そのまま作品解釈の助けにしてよいものなのでしょうか。

また、作家に、あるイメージが付随していることがあります。富や名声に興味を示さず真の芸術を求めて自らと向き合った作家、生涯にわたって頻繁に浮名を流した愛多き作家、生前は理解者に恵まれなかったけれど、没後に大きな名声を手にした作家……。そうしたお決まりのイメージの形成に、伝記はどのような役割を果たしてきたのでしょうか。

こうした疑問を発端として、このたび歴史家ワークショップでは、現代日本でも有名な作家を3名取り上げ、それぞれの作家について研究してきた専門家に彼らの伝記について語っていただく連続講座を企画しました。去る11月14日に開催した第1弾では音楽家ベートーヴェンを、12月19日に開催した第2弾では絵師円山応挙を取り上げました(動画のアーカイブをリンクしています)。

最終回となる第3弾では、アメリカの作家アーネスト・ヘミングウェイを取り上げ、作家自身がつくるイメージに焦点をあてます。ヘミングウェイの文学作品には自伝的要素が多く見られますが、作家がどのように自身の姿を作中に登場させているかは、書かれた作品の時期によって大きく異なっています。また死後出版作品に関しては、作家が独自の方法で作中に塗り込めた自身の姿や声を「編纂」という名の下で変えてしまった編集者の存在も無視できません。

今回は、そうした文学作品のなかの作家自身の姿について、文京学院大学のフェアバンクス香織さんにお話しいただきます。フェアバンクスさんは、著書『ヘミングウェイの遺作——自伝への希求と〈編纂された〉テクスト』のなかで、ヘミングウェイの未発表作の手稿研究を通して、作家自身が追い求めた「ヘミングウェイ」像に迫っています。司会を務めるのは、前2回と同じく古川萌です。

イベント詳細

開催日時2021年1月23日(土)17:00-19:00
17:00-17:30 司会による趣旨説明
17:30-18:30 フェアバンクスさんご講演
18:30-19:00 Q&A
配信方法東京大学人文情報学(UTDH)のYouTubeチャンネルにて配信
(後からの視聴も可能)
参加費無料
参加登録不要

講師プロフィール

フェアバンクス香織
文京学院大学外国語学部准教授。早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。学術博士。専門はアメリカ文学、ヘミングウェイ研究。著書に『ヘミングウェイの遺作——自伝への希求と〈編纂された〉テクスト』(勉誠出版、2015年)。John F. Kennedy Library の Visiting Researcher としてヘミングウェイの草稿調査に従事している。

企画・司会プロフィール

古川萌
東京大学経済学研究科特任研究員。ルネサンスの美術家たちの伝記『美術家列伝』と、その著者ヴァザーリについて研究。著書に『ジョルジョ・ヴァザーリと美術家の顕彰——16世紀後半フィレンツェにおける記憶のパトロネージ』(中央公論新社、2019年)。また壺屋めり名義で『ルネサンスの世渡り術』(芸術新聞社、2018年)。

一般向け連続講座「伝記の読み方を考える」第2回開催のご案内

歴史家ワークショップでは、11月から来年1月にかけて、一般の聴衆向けに連続講座「伝記の読み方を考える」(全3回)を開催します。新型コロナウィルス感染拡大防止のため、イベントはオンラインでおこない、YouTubeで配信します。


ある作家——芸術家、音楽家、小説家、詩人、あらゆるクリエイター——の作品について解釈するときにまずすることの一つは、作品が制作された背景を調べることでしょう。当時の社会事情、浸透していた思想、関連しそうな出来事なども大切ですが、作家が考えていたことを探るため、伝記を読む人も多いはず。しかし、伝記に書いてあることを、そのまま作品解釈の助けにしてよいものなのでしょうか。

また、作家に、あるイメージが付随していることがあります。富や名声に興味を示さず真の芸術を求めて自らと向き合った作家、生涯にわたって頻繁に浮名を流した愛多き作家、生前は理解者に恵まれなかったけれど、没後に大きな名声を手にした作家……。そうしたお決まりのイメージの形成に、伝記はどのような役割を果たしてきたのでしょうか。

こうした疑問を発端として、このたび歴史家ワークショップでは、現代日本でも有名な作家を3名取り上げ、それぞれの作家について研究してきた専門家に彼らの伝記について語っていただく連続講座を企画しました。去る11月14日に開催した第1弾では、音楽家ベートーヴェンを取り上げました(アーカイブはこちら)。

第2弾では、江戸時代の絵師円山応挙を取り上げます。円山四条派の祖として名高い応挙の画業は、同時代の読本作者である上田秋成が書き残しているように、しばしば「写生」と結び付けられます。応挙が自然観察を重視していたことは、もちろん残された作品から跡付けることもできますが、彼について伝えられた逸話の数々もまた「写生の絵師応挙」というイメージ形成に重要な役割を担っていました。

今回は、そうした応挙の伝記における逸話の機能について、京都国立博物館の水谷亜希さんにお話しいただきます。また、司会を務める古川萌が西洋の芸術家伝の例を提示することにより、洋の東西のちがいも浮き彫りとなるでしょう。

イベント詳細

開催日時2020年12月19日(土)17:00-19:00
17:00-17:30 司会による趣旨説明
17:30-18:30 水谷さんご講演
18:30-19:00 Q&A
配信方法東京大学人文情報学(UTDH)のYouTubeチャンネルにて配信
(後からの視聴も可能)
参加費無料
参加登録不要

講師プロフィール

水谷亜希
京都国立博物館主任研究員(教育普及)。博物館で教育プログラムの実践やボランティアの育成などを行う傍ら、円山応挙を中心とした近世京都の絵師について研究。特集展示「京博すいぞくかん―どんなおさかないるのかな?」(2017年)、「謎とき美術!最初の一歩」(2018年)企画担当。主な論文に「円山応挙筆 龍門図」(『國華』第1399号、國華社、2012年)。

企画・司会プロフィール

古川萌
東京大学経済学研究科特任研究員。ルネサンスの美術家たちの伝記『美術家列伝』と、その著者ヴァザーリについて研究。著書に『ジョルジョ・ヴァザーリと美術家の顕彰——16世紀後半フィレンツェにおける記憶のパトロネージ』(中央公論新社、2019年)。また壺屋めり名義で『ルネサンスの世渡り術』(芸術新聞社、2018年)。


連続講座「伝記の読み方を考える」第3弾は1月23日(土)に開催し、アーネスト・ヘミングウェイを取り上げる予定です。こうご期待!

一般向け連続講座「伝記の読み方を考える」を開催します!

歴史家ワークショップでは、11月から来年1月にかけて、一般の聴衆向けに連続講座「伝記の読み方を考える」(全3回)を開催します。新型コロナウィルス感染拡大防止のため、イベントはオンラインでおこない、YouTubeで配信します。


ある作家——芸術家、音楽家、小説家、詩人、あらゆるクリエイター——の作品について解釈するときにまずすることの一つは、作品が制作された背景を調べることでしょう。当時の社会事情、浸透していた思想、関連しそうな出来事なども大切ですが、作家が考えていたことを探るため、伝記を読む人も多いはず。しかし、伝記に書いてあることを、そのまま作品解釈の助けにしてよいものなのでしょうか。

また、作家に、あるイメージが付随していることがあります。富や名声に興味を示さず真の芸術を求めて自らと向き合った作家、生涯にわたって頻繁に浮名を流した愛多き作家、生前は理解者に恵まれなかったけれど、没後に大きな名声を手にした作家……。そうしたお決まりのイメージの形成に、伝記はどのような役割を果たしてきたものなのでしょうか。

こうした疑問を発端として、このたび歴史家ワークショップでは、現代日本でも有名な作家を3名取り上げ、それぞれの作家について研究してきた専門家に彼らの伝記について語っていただく連続講座を企画しました。

第1弾では、楽聖ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンを取り上げます。「楽聖」という呼ばれ方からもうかがわれるように、いまや誰もその重要性を疑わないベートーヴェンについては、亡くなってまもなく伝記の執筆プロジェクトが立ち上がりました。この伝記は天才のイメージを強く印象付ける内容になっていますが、じつはそこにはかなりの脚色、創作、事実の歪曲があったと判明しています。

今回はその内実について、『ベートーヴェン捏造——名プロデューサーは嘘をつく』(柏書房、2018年)の著者かげはら史帆さんにたっぷり語っていただきます。奇しくも今年生誕250周年を迎えたベートーヴェンのイメージを、ちょっと考えなおしてみませんか?

イベント詳細

開催日時|2020年11月14日(土)17:00-19:00
配信方法東京大学人文情報学(UTDH)のYouTubeチャンネルにて配信(後からの視聴も可能)
参加費|無料
参加登録|不要

講師プロフィール

かげはら史帆
ライター。一橋大学大学院言語社会研究科修士課程修了。音楽関連企業に勤めるかたわら、音楽家に関する小説や随筆を手がける。音楽雑誌や文芸誌、ウェブメディア等で執筆活動を展開。著書に『ベートーヴェン捏造——名プロデューサーは嘘をつく』(柏書房、2018年)、『ベートーヴェンの愛弟子——フェルディナント・リースの数奇なる運命』(春秋社、2020年)。

企画・司会プロフィール

古川萌
東京大学経済学研究科特任研究員。ルネサンスの美術家たちの伝記『美術家列伝』と、その著者ヴァザーリについて研究。著書に『ジョルジョ・ヴァザーリと美術家の顕彰——16世紀後半フィレンツェにおける記憶のパトロネージ』(中央公論新社、2019年)。また壺屋めり名義で『ルネサンスの世渡り術』(芸術新聞社、2018年)。


連続講座「伝記の読み方を考える」第2弾は12月19日(土)に開催し、円山応挙を取り上げる予定です。こうご期待!

【満員御礼】講演会 12月21日(土)「ハプスブルク展」を4倍楽しむ。

このたび、歴史家ワークショップでは、現在開催中の「ハプスブルク展」(2019年10月19日~2020年1月26日)にあわせ、講演会「『ハプスブルク展』を4倍楽しむ。」を開催するはこびとなりました。

上野の国立西洋美術館で現在開催中の「ハプスブルク展——600年にわたる帝国コレクションの歴史」は、展覧会の標題にもあるように、何世紀にもわたってヨーロッパに君臨した名家ハプスブルク家をとりあげ、その美術コレクションを俯瞰することができる、またとない機会です。

もちろん、絢爛豪華な美術作品や工芸品を見るだけでも楽しいのですが、ハプスブルク家は15世紀から20世紀にいたるまで非常に長い期間にわたってヨーロッパ史上の重要な地位を占めましたし、また、中欧一帯からネーデルラント、されにはスペインにかけて支配権を握ったことを考えると、その全体像を把握するのはなかなか難しいものです。各時代・各地域で美術が担った役割や、その歴史背景を理解することにより、この展覧会をさらに楽しめるのではないでしょうか。

こうした思いから、ハプスブルク支配下にあった時代・地域を研究する気鋭の研究者を3名お呼びして、それぞれ16世紀プラハ、17世紀スペイン、18世紀オーストリアについてお話しいただく講演会を企画しました。異なる時代・地域について詳しくうかがうことで、各ハプスブルク統治圏の独自性と連続性について、多角的に読み解くことを目指します。

展覧会単体でも楽しいけれども、講演を聞いた後にはまたフレッシュな気持ちで見ることができるよう、一味ちがった展覧会の楽しみ方がご紹介できたらと思います。どなたでもぜひ奮ってご参加ください。

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【日時・場所】☆会場が変更となりました(12月4日更新)
2019年12月21日(土)13:00~19:00
東京大学本郷キャンパス 小島ホール2Fコンファレンスルーム
東京大学本郷キャンパス 国際学術総合研究棟 第6教室
アクセス: https://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_01_07_j.html

【参加費】
無料

【登壇者プロフィール(登壇順)】
●川上恵理
兵庫県立美術館職員。神戸大学大学院人文学研究科博士課程修了。専門分野は16世紀プラハの美術。主な論文に「ルドルフ2世治世下のプラハにおける芸術運動―バルトロメウス・スプランゲル作《知恵の勝利》の油彩画と版画を中心に―」(『鹿島美術研究』、2016年)など。

●山田のぞみ
本郷新記念札幌彫刻美術館職員。北海道大学大学院文学研究科博士課程修了。専門分野は17世紀スペインの美術と君主教育。主な論文に「La torre de la parada y la educación del príncipe: las metamorfósis como ejemplos viciosos(トーレ・デ・ラ・パラーダと君主教育——悪しき例としての変身物語)」(La formación artística、2018年)など。

●岩崎周一
京都産業大学准教授。専門分野はオーストリアを中心とした近世・近代のハプスブルク君主国史。著書に『ハプスブルク帝国』(講談社現代新書、2017年)、共編著に『ハプスブルク史研究入門』(昭和堂、2013年)。ほか関連論文多数。

●古川萌(企画・司会)
歴史家ワークショップ運営委員。東洋大学・東海大学非常勤講師。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。専門分野は16世紀イタリア美術。著書に『ジョルジョ・ヴァザーリと美術家の顕彰——16世紀後半フィレンツェにおける記憶のパトロネージ』(中央公論新社、2019年)。

これまで歴史家ワークショップでは、同様の講演会企画として「『ミケランジェロ展』を3倍楽しむ。」および「『ルーベンス展』を3倍楽しむ。」を開催し、ありがたいことにいずれも好評を博しました。今回もまた、歴史研究者の視点を皆さまにご紹介するとともに、同時に一般の方の関心を研究者に共有する、二者のあいだの橋渡しの場となることを期待しています。

配布資料等の準備のため、事前参加登録にご協力お願いします。
https://forms.gle/5WRtHGGYH5t2U1kY6
ご好評につき早くも定員に達しました。
教室変更やオンライン配信等検討中ですので、続報をお待ちください。
事前登録の受付を再開致します。奮ってご応募ください!(12月4日更新)
定員に達しましたので、事前登録を締め切ります。ご応募ありがとうございました!(12月17日更新)

「バズる(?)アウトリーチのすすめ―公益性のある情報発信に向けて」開催レポート

2019年7月22日に開催したイベント「バズる(?)アウトリーチのすすめ―公益性のある情報発信に向けて」の開催レポートをお届けします。

趣旨と登壇者の紹介については過去の投稿をご覧ください。
2019年7月22日「バズる(?)アウトリーチのすすめ―公益性のある情報発信に向けて」開催のお知らせ

各登壇者の講演

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今回はHistorians’ Workshop初の試みとして、講演内容を動画に収めてみました。
動画編集は広島大学D1の北川涼太さんが担当してくれました。(北川くん、本当にありがとう!)
以下、講演内容の重要トピックを箇条書きで列挙しています。気になるトピックがあれば是非動画の方で詳細を確認してみてくださいね!

北村先生の講演「ワイルドならどうする?」


・批評家としての北村先生とTwitter
オスカー・ワイルド:批評=芸術
ワイルドなら絶対にTwitterをやるはず…。
ワイルドみたいに書きたい!Get Wilde!
・ウィキペディア英日翻訳活動
・自身の英語力を活かした社会貢献として
・授業で学生に翻訳を実践してもらう「英日翻訳ウィキペディアン養成プロジェクト」
・多数の団体・メディアから取材を受けるように
・信頼と継続がバズを生む
原稿は絶対に落とさない!

古川先生の講演「美術展覧会に合わせたアウトリーチ」


・展覧会の情報不足を補うものとして、美術展に合わせたアウトリーチ活動を開始
・イラスト入りパンフレットの配布・展覧会ツアーの企画
→団体で動く難しさ/大声は出せない/参加者の層が首都圏に限定
・ネットプリントを活用
→全国の人がガイドを楽しめるように
・団体との共催で規模アップ
・情報発信とリスク管理
・込み入った説明にTwitterは向いてない(誤解を生みがちに…)
・長文はブログで発信
・原稿の下読み依頼や下書き保存の活用で不必要な炎上を回避

丸尾氏の講演「ちょっと輝きが足りない『鈍重な自己啓発』のすすめ」


・バズる記事の共通点(田野大輔先生の記事を例に)
1)新事実(「ナチスの体験授業」という突飛さ)
2)新解釈(「全体主義は容易である」)
3)実存に根差した共感(「自分もこうなり得る」「身近にも全体主義の萌芽があるかも」)
≒鈍重で持続可能な自己啓発
・「実存に根差した共感」から、読者が自らの環境を操作可能・変更可能なものとして認識できるように…アウトリーチの公益性
・たぶん編集者はめっちゃTwitter見てる(からどんどんツイートして!)
・情報発信において、一番大事なのは覚悟では?

質疑応答

質疑応答は、参加者の皆さんのおかげで非常に活発なものとなりました!

Q. アウトリーチの意義、若手がすることの意義
A. 専門分野を残すために良き受容者を育てたい。教養よりのコンテンツを潰そうとする人がいるが、そういう人はそのコンテンツが流行っていることに気づいていない。可視化が重要。
A. そもそもアウトリーチを活発化する必要があるか解らない。自分の場合は専門分野を愛する気持ち、専門外の人々に自分が面白いと思うものを布教したい気持ちが強かったからアウトリーチを始めた。愛が持たれていない分野は自然淘汰されると思う。
A. アウトリーチが評価される空気を醸成していきたい。

Q. どのような研究者がアウトリーチ向きか
A. 一般向けの文章が書ける人。アカデミアと社会を分断しないバランス感覚が必要。
A. 研究者本人が面白い人かどうか。
A. 〆切が増えることを考えると1日にたくさん書くのが好きな人。

Q. どう炎上やクソリプに対応しているのか
A. (クソリプラーをブロックすることなく真面目に対応することについて)相手に伝わるかではなく、TLを見ている学生に「やな事言われたら言い返していいんだ」と伝えるため、あえてまともに反応している。「反論することは寧ろカッコいいじゃん」という空気を作りたい。
A. そもそも意見を表明するタイプのツイートをしないようにする。ブログ記事については間接的批判はありうるが、直接リプは少ないのでスルーできるしスルーする。

Q. アカデミズムは「バズ」とどう関係すべきか
A. 人々が関心を持っていることがバズるわけで、アカデミズムは「バズ」トピックについて学会をやるべき。テレビが生んだバズについても、学会がすぐにセミナーや雑誌の特集を組むのが望ましい。ただ学会に「目利き」がいないとこれらは実現しえない。
(例)TOKIOを知らないとTOKIOが発端のバズはアカデミックなことであれ学問に繋げ得ない
A. とはいえ若手が以上の活動を大きな学会に提案するのは難しい。オンライン上に流行に聡い研究者が集まれる場があればいいのだが。
A. ウェブ媒体で記事にすること自体がバズのフォローである。ウェブでは同じことが繰り返し議論される傾向があるので、ウェブ記事が何度も参照されるストックとして機能しうる。

Q. 意図した層とは違うファン(ノイジーマイノリティなど)が発生して、その結果、優良なファンがいなくなってしまうこともありえると思う。セルフブランディングって成功しているか?
A. ターゲッティング自体に違和感ある。ターゲティングをすると内輪になりやすい。それよりかは訳が分からない人がいた方がよい。今の社会の問題が内輪化にあるので、もっとマスに届いて欲しいと考えている。
A. >ファンが欲しくてやってるわけではない。強いて言えば高校生や学生に見てもらいたい。女性研究者にたいし、顔が出たとたんに猥褻な画像を送ってくる人がいるが、それはセキュリティ案件にするしかない。

Q. 自ら主体的に発信してこなかったSNS初心者へのアドバイスもお願いしたい。
A. 全員がSNSでアウトリーチを行う必要はない。書いた論文を再利用可能な形でウェブに出すだけで十分意義がある。利用可能な形でウェブ上に論文があれば、他人がそれを拾って記事を書くことも出来る。また、ciniiから論文本体が手に入れば編集者がそれをもとに記事依頼を送ることもできる。
A. 編集者にはウォッチャーが多い。専門書と現代社会の繋がりを示すような読書日記やツイートがきっかけでアウトリーチが生まれることもある。
A. 数人グループでのアウトリーチも可能。得意分野によるタスクの分担ができる、個人の見解を相対化したうえで発信することも可能。

参加者の反応

最後に、参加者の皆さんのご意見・ご感想を紹介したいと思います!
まずはアンケート結果から↓

・北村先生がきっかけで文学研究に関心をもち、映画や演劇を批評する楽しさを知った。もともと海外作品の需要層を広げ日本に紹介される作品が増やすことに関心があったため、今回アウトリーチについてお話を拝聴出来て良かった。
・おそらく自分より10~15才若い研究者・出版関係者が、自分とは異なる情報空間のなかで何を考えどんなことをしているのか具体的に分かったのが非常に面白かった。自分が大学院生だった頃よりもアカデミアは社会に近く、いままでに様々な試みがあったのだろう、と実感することができた。一方、炎上への(過剰な)危機意識の高さも感じた。昔は炎上してナンボくらいだったような気がする。
・今回のイベントを通じてアウトリーチのノウハウや心構えなどを学ぶことが出来、非常にためになった。特に、研究者と編集者の2つ立場から話を聞けたのが良かった。このイベントの続編があれば是非参加したい。ライブ配信などでもっと公開されるといい。
・とても刺激的で勉強になり楽しかった。アカデミアと一般をつなぐ、まさに今問われているアクチュアルなテーマでとてもわくわくした。また、活発なディスカッションが出来てよかった。時間配分なども含めとても纏まりが良かった。
・自己流でアウトリーチを行うと独善的になりがちで、炎上のリスクも大きい。今回、第一人者の先生方からノウハウを伺えたのが良かった(特に教員として安心した)。個人的には丸尾氏が仰るところの「覚悟」を持つのに疲れた節がある。
・アウトリーチ自体について多角的に考えることが出来て良かった。
・なかには慎重な発言もあったが、若い人に手放しで勧められるのかが気になった。主張や議論が粗くなりがちなので、専門家としての評価が定まらないうちはリスクもあるのではないか。

今回、「#バズるアウトリーチ」のハッシュタグをつけて、Twitter上でも皆さんからご意見を頂戴しました。
そのツイートをTogetterの方にまとめています。そちらも是非ご覧ください!
https://togetter.com/li/1379599

おわりに

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文系学問への風当たり、社会との溝、情報化社会に埋もれる良質な知、ベテラン研究者との世代間ギャップ…こうしたことへの危機感から、アウトリーチの意義や学術の社会への繋ぎ方を考える場を若手主導で設けたいと、今回のイベントを企画しました。
単に「文科省が推奨するからやる」のではなく、「先輩方に牽制されるからやらない」のでもなく、まず自分たちで考えなくてはならないだろうと。

今回のイベントを通じて、登壇者のお三方からフロアの皆さんまで、たくさんの方々から多様な意見を聞くことができ、企画者自身としましては、今後の活動のヴィジョンを以前よりずっと明確にできたと思っています。ご参加くださった皆さん・今これを読んでくださっている皆さんもそうであれば、企画者として嬉しい限りです。

また、上記の通り企画の動機は危機感によるものでしたが、皆さんの意見を聞く中で、自分の意見を主張したい、専門を活かしたい、好きで究めてきたものを知ってほしいといった純粋でポジティヴな意欲の大切さにも改めて気づかされました。
自分も楽しく受け手も楽しい――そんな理想的なアウトリーチの形を目指したいものです。

ありがたいことに、第2弾を期待する声もちらほらいただいています。
今回のイベントでは、質の問題についてあまり掘り下げられなかったと思うので、それについてやるのが一つかなと思っています。
丸尾さんの講演でも触れられていた、情報を「残念なもの」にしない努力や、アンケートにもあらわれている、若手の未熟さからくる質への懸念については、こういったイベントの場でこそ深く検討すべき点だと思います。
他にも、テーマや登壇者について希望があれば、是非運営委員までお聞かせください!

最後になりましたが、今回の登壇依頼を快く引き受けてくださり、有益な情報を提供してくださった登壇者のお三方、平日にも関わらず会場まで足を運び、活発に議論してくださった参加者の皆さま、円滑な運営をサポートしてくださったHistorians’ Workshop内外の全ての方々に心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました!

文責:吉田瞳・中辻柚珠

8/28「西洋経済史・経営史のこれまでとこれから」開催リポート

本会運営委員でもある東京大学経済学部の山本浩司氏による入門セミナーが2019年8月28日に開催されました。情報過多の時代に、なぜ敢えて西洋経済史・経営史について時間を割く必要があるのか?ネットや新書で十分な情報は手に入らないのか?本セミナーでは、専門知識を前提することなく、日本語圏の情報からでは容易にアクセスできない西洋経済史・経営史の「知のフロンティア」を共有することを目的とし、講義とグループディスカッションを行いました。

当日の様子を参加者の一人、田端俊也さんが当日の様子をメモにしてくださいましたので、リポートの代わりとして共有いたします。グループディスカッションもおおいに盛り上がった様子が伝わるのではないでしょうか。

https://docs.google.com/document/d/12maj8pv852DcTiUJNcwhvGUQCygLB1M9WSIo30Ym9hE/edit?usp=sharing


歴史家ワークショップでは、今後も歴史研究者の社会発信活動を企画していきたいと考えています。企画アイデアをお持ちの方は、コンタク・フォームを使用するか、直接運営委員までご連絡ください

2019年8月28日「西洋経済史・経営史のこれまでとこれから」開催のお知らせ

本会運営委員でもある東京大学経済学部の山本浩司氏による入門セミナーが開催されます。学生・社会人含め興味を持たれた方はどなたでもご参加ください。参加費無料、前提知識不要です。

【日時・場所】

2019年8月28日 (水) 18:45~21:00
東京大学本郷キャンパス 小島ホール2F 第3セミナー室
アクセス: http://www.cirje.e.u-tokyo.ac.jp/about/access/campusmapj.pdf?fbclid=IwAR1JjTHVHy1GtlFjYUCb2T1EuOTUZB6pFveSXhkbNJ6bLJnAffLSk0Nl-t4

【参加費】

無料
*事前登録の必要はありませんが、人数を把握するためにこちらのイベントページでの参加表明にご協力ください。

【話し手プロフィール】

東京大学経済学部 准教授 山本浩司
http://coretocore.ioc.u-tokyo.ac.jp/people/2015/03/post-21.php

【セミナー内容】

情報過多の時代に、なぜ敢えて西洋経済史・経営史について時間を割く必要があるのか?ネットや新書で十分な情報は手に入らないのか?本セミナーでは、専門知識を前提することなく、日本語圏の情報からでは容易にアクセスできない西洋経済史・経営史の「知のフロンティア」を共有することを目的としています。
そこではアダム・スミスやマルクスを含めた知の巨人の背中に立ち、社会経済関係の隅々までを見通そうとする研究者たちの知の冒険を垣間見ることができるでしょう。本セミナーの最後には、Q&Aとグループワークの時間をもうけたいと思っています。経済史・経営史を通して、より汎用性の高い「良き問いの構想力」と「歴史的思考法」とは何かを考え、実践する機会にもなればと期待しています。

レクチャー終了後、懇親会を予定しています。

【メディア掲載記事】
技術革新と資本主義——“Project”の起源とこれからの企業のあり方
https://www.ibm.com/think/jp-ja/business/Innovation-capitalism/

【満員御礼】2019年7月22日「バズる(?)アウトリーチのすすめ―公益性のある情報発信に向けて」開催のお知らせ*教室変更あり*

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***会場が小島ホール2階第三セミナー室から、1階の第一セミナー室へと変更になりました。***

「あなたの研究、なにが面白いの?」

…研究者なら1度は問われるこの問いに、あなたはどう答えますか。

近年、大学が生み出す知、とくに人文学の知が軽視されるなかで、研究者による社会へのアウトリーチの重要性が叫ばれています。しかし、自力で情報発信しようと思っても「何をすればいいか分からない」という人が大半ではないでしょうか。また、アウトリーチという活動自体が現行システムにおいてキャリアパスとして適切に位置づけられていないという問題もあります。

本イベントでは、多様なメディアを使って活発な情報発信を繰り広げる2人の若手研究者と、高度な学術的な知をアカデミアの外へ仕掛ける編集者1人に、自己満足ではないバズる(?)アウトリーチの方法をお聞かせいただきます。そして、それらのお話をふまえ、アウトリーチの今日的な意義についても考えたいと思います。

さぁ、あなたもバズる(?)研究者になって、学問の裾野を開拓していきましょう。

【日時・場所】
2019年7月22日(月)17時半~(開場)
東京大学本郷キャンパス 小島ホール第3セミナー室   1階第1セミナー室
https://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_08_03_j.html

※講演会後、相談会兼懇親会を引き続き同じ教室で開催します。参加費は500円です。終了時刻は21時を予定しており、いつ抜けていただいてもかまいません。

※要事前申込:申込フォームはこちら
(申込締切:7月15日) 定員に達したため、登録は締め切りました。たくさんのご登録ありがとうございました!(7/9追記)

【登壇者】
北村紗衣(武蔵大学):シェイクスピア・舞台芸術史
・TwitterからWikipedia、フェミニズム批評まで広く活躍
・近著『お砂糖とスパイスと爆発的ななにか』(書肆侃侃房)
古川萌(東洋大学):イタリア・ルネサンス美術史
・「壺屋めり」名義で展示会のフォローアップ講演会を開催
・イラスト入り書籍『ルネサンスの世渡り術』(芸術新聞社)も上梓
丸尾宗一郎(講談社):「現代ビジネス」編集
・人文社会科学者たちのオピニオンを広く世に発信する講談社の必殺仕掛け人
・お仕事の一覧はブログ「natsumekinakoの日記」を参照

【講演会】11/11(日) 展覧会「ルーベンス展―バロックの誕生」を3倍楽しむ

去る8月、国立西洋美術館の展覧会「ミケランジェロと理想の身体」にあわせ、当時の時代背景等を解説する講演会を開催し、非常な好評を得ました。この講演の成功を受け、このたび同美術館で開催される「ルーベンス展――バロックの誕生」(会期2018年10月16日~2019年1月21日)にあわせて、展覧会の楽しみ方を提案する講演会をふたたび開催いたします。

【日時・場所】

2018年11月11日(日)14:00~17:30
東京大学本郷キャンパス 小島ホール2Fコンファレンス・ルーム
地図:https://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_08_03_j.html

【参加費・事前登録】

無料・事前登録サイト → https://goo.gl/forms/XQGfX9IL9BTyATor1 Continue reading “【講演会】11/11(日) 展覧会「ルーベンス展―バロックの誕生」を3倍楽しむ”