開催報告「配信時代のアウトリーチ」

歴史家ワークショップでは、去る9月25日に社会発信イベント「配信時代のアウトリーチ」を開催いたしました。その報告を、小山田真帆さん(京都大学大学院)に執筆いただきましたので、以下に掲載します。

アーカイブ動画もあります!

2021年9月25日(土)、「配信時代のアウトリーチ」がYouTubeの生配信にて開催された。YouTubeのチャットおよびTwitter上で視聴者から質問やコメントが寄せられ、それらをリアルタイムで拾いながら登壇者とのやり取りが行われた。「配信時代」という言葉通り、現在多くの人々がYouTubeやpodcastといったツールから情報を得ている。こうした配信ツールは情報を受け取る側のみならず、コロナ禍の影響もあり、発信する側の研究者にも広く利用されるようになってきている。しかし発信方法の手軽さから、日本語でアクセスできる歴史関連の情報は玉石混淆といった様相を呈していることも事実である。本企画はこうした状況をふまえて、研究者(大学や研究機関に籍を置く人に限らず、学術的バックグラウンドを持つ人)がどのようにアウトリーチの場としてオンラインメディアを活用していくべきか、議論を促進すべく開催された。

登壇者として、現在YouTubeを含む多くのSNS上で学術的な情報発信を行っている藤村シシン氏(古代ギリシャ研究家)とヒロ・ヒライ氏(コロンビア大学リサーチ・アソシエイト/ルネサンス学)をお招きした。お二人にご自身のアウトリーチ活動についてお話しいただいた後、全体でディスカッションを行った。

趣旨説明

はじめに企画者の吉田瞳氏(京都大学大学院博士後期課程)より、上記のような配信ツールの活況とアウトリーチ活動との関係について説明があった。歴史に対する関心はアカデミアの外にも広がっており、学問的な訓練を受けていない人も歴史について学んだり話したりする。様々な情報が溢れる中で、その真偽を見抜く受け手側のリテラシーももちろん重要だが、本企画では発信者の視点から、どのように自分の研究を社会に届けるかを考えたいとのことだった。また、研究者が発信するものだけが価値ある情報ではないということも付言し、アカデミア内外における歴史の語りを健全に繋いでいくために有益な参考文献として、菅豊・北條勝貴編『パブリック・ヒストリー入門』(勉誠出版、2019年)、イヴァン・ジャブロンカ(真野倫平訳)『歴史は現代文学である』(名古屋大学出版会、2018年)が紹介された。

藤村シシン氏のお話

藤村氏は古代ギリシャ史で修士号を取得し、2014年頃から講師・メディア出演・出版や企業コラボレーションなどでアウトリーチ活動を本格化させた。既に関心のある人以外にも裾野を広げるべく、幅広い層の興味に訴えかけるイベントは何かを考え、「古代ギリシャナイト」の企画を始めたということだった。イベント運営の役割分担など具体的なお話も伺うことができた。また、知識や興味の薄い人にも届けるために、聞き手の具体的な像を設定し(藤村氏の場合は「高校時代の自分」)、その人が理解しやすく面白いと感じてくれるような構成を考えている、とのお話は、非常に実践的でありがたいアドバイスであった。一方で課題として、オンライン化が進むほど視聴者の分断が生まれる(興味のあるコンテンツしか目に入らなくなる)という現状があり、一つのメディアの中で閉じないようにすることや、視聴者との一体感のあるイベント開催方法の模索などについてもコメントをいただいた。

ヒロ・ヒライ氏のお話

ヒライ氏はルネサンス期の魔術や錬金術を専門とし、博士号取得後1999年からウェブサイトbibliotheca hermetica(BH)を開設、そこでの読者との交流から読書会やセミナーの主催を開始した。その後多くのSNSを用いたアウトリーチ活動を始めたという。YouTubeチャンネル「BHチャンネル」での活動はコロナ禍を機に本格化し、新刊紹介や研究者との対談といったコンテンツを公開している。ヒライ氏のお話では、YouTubeでの発信における多くの試行錯誤が印象的だった。視聴者が置いていかれないよう、自身も専門知識のない一般読者の立場でゲストへのインタビューを行っていること、視聴者の年齢層やジェンダーを分析し、より広い範囲の人に届くようコンテンツに工夫を加えているとのことだった。また、常に新しいメディアに挑戦するという姿勢には驚かされた。メディアごとにフォロワー層が違うとのお話もあり、藤村氏の指摘した「単一のメディアに閉じこもらないこと」の重要性がここでも共有されているように感じた。

全体討論

吉田氏から、正確さよりも伝わりやすさを重視して専門用語を手放すことが不安であるとの意見が上がった。視聴者コメントでは、学術的な内容を扱う動画だとカタカナ語がわかりにくいことがある、専門用語を使った場合は編集で説明を入れてほしい、などの意見が寄せられていた。登壇者のお二人からは、たとえ専門用語を使うとしても、親しみやすい装いや話し方を心がけることで聞き手の心理的抵抗をなくすことができる、との回答があった。ただし、客観性が求められる研究者には自分の個性を出すのが難しいというジレンマもあり、なかなか一筋縄ではいかない問題であるように感じられた。

また、漫画・アニメ・ゲーム等サブカル作品を通じたアウトリーチや、クリエイターとの協働に力を入れたいという話題も上がった。作品を通じて歴史に興味を持つ人々も多く、視聴者コメントでも「この作品の解説をしてほしい」といった具体的な意見が多数寄せられた。歴史に取材した創作作品を研究者が監修・解説することは、学術的成果を広く共有できるだけでなく、創作の限度を超えた不正確な歴史認識が広まることを防止する効果もある。しかし、それが学問から創作活動への「介入」や「圧力」だと考えられてしまっては本末転倒だろう。もし研究者と創作者の協働がネガティブに受け止められる恐れがあるのだとすれば、その誤解を解いていく必要がある。吉田氏からの趣旨説明とも繋がるが、歴史と物語は相容れないものではなく、歴史は専門家の専有物ではない、ということもまた発信していかなければならないだろうと感じた。

本企画では沢山のお話を伺うことができたが、特に重要な点として共有されていたのは①専門性とわかりやすさのバランス、②メディアの拡張性、③創作作品との接続、の3点だったように思う。議論は終始和気藹々とした空気で進行しながらも、実践的なアドバイスも問題提起もあり、真摯で有意義な内容であった。登壇くださった藤村さん、ヒライさんと企画者の吉田さんにお礼申し上げたい。

当日のTwitterでのさまざまな反応は、こちらにまとめてあります。ぜひ併せてご覧ください。
【歴史家ワークショップ】配信時代のアウトリーチ

【参加者募集】Front Runner Series: 多言語論文執筆セミナー Vol. 10(11/17 10:00–11:30)

歴史家ワークショップでは、11月17日(水)10:00~11:30(日本時間)に、「Front Runner Series: 多言語論文執筆セミナー Vol. 10」と題したオンライン・セミナーを開催いたします。また同日11:30~12:30には、任意参加の懇親会を予定しております。

開催概要

日時|11月17日(水)10:00~11:30:セミナー/11:30~12:30:懇親会(任意参加)
ゲストスピーカー|アリサ・フリードマンさん(オレゴン大学教授)
ファシリテーター|藤本大士(学振PD・京都大学)
費用|無料
場所|Zoom を利用したオンライン開催(リンクは、登録フォームにご記入のメールアドレスへイベント当日の朝に送付します)
登録参加登録フォーム

※歴史学系の学生・研究者のみならず論文執筆や外国語での執筆にご関心のある方は、どなたでもお気軽にご登録ください。

このセミナーでは、歴史学分野を中心に活躍する研究者から外国語(もしくは非母語)での執筆経験談を共有していただくことで、「外国語での論文執筆における壁」を乗り越えるヒントの得られる場を提供することを目的としています。具体的には、外国語での論文執筆にさいして実践している工夫から、博士論文・単著・編著の一章分など異なるフォーマットの書き分け方まで、スピーカーの体験にもとづいたスキル面の情報提供をおこないます。それだけでなく、国外の出版社からの出版、留学、研究の進め方、国際学会でのネットワーキングなど、外国語(もしくは非母語)での論文執筆に関わる経験談もお話しいただきます。最後に、質疑応答や懇親会をつうじて、参加者のみなさんと外国語(もしくは非母語)での執筆にかんする悩みや体験談を共有することで、この問題についての理解を深め、実践のための知恵を蓄積することをめざしています。

今回は、オレゴン大学教授のアリサ・フリードマン(Alisa Freedman)さんをお招きし、藤本大士(学振PD・京都大学)がファシリテーションを担当します。フリードマンさんのご専門は日本文学・文化・ジェンダー論で、 U.S.-Japan Women’s Journal の編集長をつとめています。今回は、英語を母語としない研究者が、英語の学術誌に投稿する際に注意すべきことなどについて、研究者の視点からのみならず、学術誌の編集者の立場からも、ざっくばらんにお話しいただきます。ゲストスピーカーの講演は英語でおこなわれますが、適宜、日本語への通訳をおこないます。

ご関心のある方は、ぜひお気軽にご参加ください。

スピーカー・プロフィール

アリサ・フリードマン Alisa Freedman(大学ホームページ

主要業績
Alisa Freedman, Tokyo in Transit: Japanese Culture on the Rails and Road (Stanford University Press, 2010).
Alisa Freedman, Japan on American TV: Screaming Samurai Join Anime Clubs in the Land of the Lost (Columbia University Press, 2021).
Alisa Freedman, Laura Miller, and Christine R. Yano, eds., Modern Girls on the Go: Gender, Mobility, and Labor in Japan, and Introducing Japanese Popular Culture (Stanford University Press, 2013).

シカゴ大学でM.A.およびPh.D.を取得。現在、オレゴン大学教授。研究関心は近代日本文学、ポップカルチャー、若者文化、映像メディア、デジタル文化、都市文化、ジェンダーなど多岐にわたり、これまでに2冊の単著書籍、2冊の共著書籍、25本以上の論文を出版している。英語圏の代表的な日本女性研究雑誌である U.S.-Japan Women’s Journal(『日米女性ジャーナル』)の編集長をつとめており、日米双方の学術研究のスタイルに精通している。アウトリーチ活動にも積極的で、アニメや日本の文化に関するイベントなどでもしばしば招待講演をおこなっており、2018年にはTEDxFulbrightにおいて “How Japanese Exchange Students Shaped Japan’s Postwar Development”(「戦後の女性​留学生の力」)というプレゼンテーションをおこなった。

参加登録

参加をご希望の方は、こちらのフォームよりご登録をお願いいたします。

懇親会は Wonder というサイトを通じて開催予定です。パソコンからのみアクセス可能で、スマートフォン・タブレット端末からはアクセス出来ないためご注意ください。

ご質問などございましたら、こちらまでお気軽にご連絡ください。

Front Runner Series 企画運営:藤本大士(学振PD・京都大学)
front.runner.series@gmail.com

【開催告知】スキル・ワークショップ「スライド道場リターンズ!」(10/25 15:00-)

歴史家ワークショップでは、2021年10月25日(月)にスキル・ワークショップ「スライド道場リターンズ!」を開催いたします。このワークショップでは、スライドに全部載せるには情報過多になりがちな歴史学分野の発表について、どのようにスライドを作ればクリアに分かりやすく内容を伝えることができるか考えます。

本会では昨年2020年5月にスキル・ワークショップ「スライド道場」を開催し、非常な好評を得ましたが、より広いオーディエンスに情報を共有するため、同内容のワークショップを YouTube 公開用に再度おこなうことにいたしました。前回の開催レポートはこちらです。

前回同様、本会特任研究員の古川がファシリテーターを務めるのに加え、ゲスト講師として竹中技術研究所の今西美音子氏を招き、歴史学以外の専門の方の視点も取り入れることで、より客観的に把握しやすい視覚資料作成を目指します。

学術発表では基本的に議論の内容や正当性が問われるので、それを補助するスライドの質に十分な注意が払われることは少ないのですが、じつはスライドは発表そのものの質を上げるための重要なファクターの一つです。ぜひご参加ください!

開催概要

対象|歴史学系の院生・研究者(ですが、誰でも視聴可能です)
場所|オンライン開催(YouTube配信・アーカイブ有)
日時|2021年10月25日(月)15:00-17:00
費用|無料
参加登録|不要

当日はぜひチャットにもご参加ください。Twitterでコメントなどを投稿するときはハッシュタグ #歴史家ワークショップ をつけて!

講師・司会プロフィール

◆今西美音子
竹中工務店技術研究所研究員。早稲田大学人間総合研究センター招聘研究員。博士(人間科学)。専門は人間行動・群集流動。

◆古川萌
東京大学経済学研究科特任研究員。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。博士(人間・環境学)。専門はイタリア・ルネサンス美術史。

【参加者募集】オンラインミートアップシリーズ Coffee Time Series 第6回「研究者のライフプラン——留学・博論・育児——」9/24 (金) 15:30-

2021年9月24日(金)日本時間15時半から、歴史家ワークショップ主催のオンラインミートアップシリーズ ‘Coffee Time Series’ の第6回を開催します。本シリーズでは、気軽に研究の楽しさや研究にまつわる悩みを共有し助け合える場を作ろうと、国内外の大学に在籍する8人の大学院生とポスドクが中心となって運営を行なっています。一連のイベントを通じて、孤独に研究する大学院生・研究者が分野を横断して集まることができ、またアカデミアの外にいる方々とも人間的なつながりを構築することができればと願っています。

第6回となる今回は、「研究者のライフプラン——留学・博論・育児——」をテーマに、大津谷馨(リエージュ大学)がファシリテーションを担当し、現在ドイツで博論を執筆しながら子育てされている纓田宗紀さん(西洋中世史・アーヘン工科大学)をゲストにお招きします。纓田さんには、家族形成や家族でのドイツ渡航などこれまでの決断の背景、一日のスケジュール・家事育児の分担など日常生活での工夫や葛藤、ドイツでの留学・子育て・資金獲得の状況、コロナ禍の影響など、様々な話題についてお話しいただきます。

纓田さんのトーク後には、子育てに限らず、個人の人生と研究の折り合いをどのようにつけていくかについて参加者の皆さんと話し合える場を設けます。私生活とのバランスを取りつつ研究を楽しく続けていくためにどうすればいいのか、悩みや工夫を共有し、研究者としてより生きやすい環境を作るヒントを得られる場にしたいと考えています。

週末の夕方、コーヒーやお酒を片手におしゃべりに参加してみませんか?

参加を希望される方には後日 Zoom でのリンクをお送りしますので9月22日(水)日本時間20時までに、下記の Google Form から参加登録をお願いします。

開催概要

日時|9月24日(金)15:30-17:00(トークとディスカッション)/ 17:00-17:30(懇親会)
タイムテーブル(予定)
15:30-15:35(趣旨説明)
15:35-16:05(ゲストのトーク)
16:05-16:15(質疑応答)
16:15-16:45(少人数グループに分かれてディスカッション)
16:45-17:00(全体で議論、総括)
17:00-17:30(懇親会)
(いずれも日本時間)
場所|オンライン開催(Zoom使用)
費用|無料

※イベント(ゲストのトークとディスカッション)は1時間半で終了しますが、その後、都合のつく方で30分程度の懇親会を予定しています。懇親会は、Wonderを使った少人数によるフリートークを予定しています。

※ゲストのトークのみ聴講などの部分参加も歓迎します。途中参加・途中退出などご自由にしていただいて構いませんので、ご自身のご都合に合わせてご参加ください。

参加登録

参加登録こちらからお願いいたします。
参加登録締切|9月22日(水)日本時間20時まで 

※ご参加にあたってサポートをご希望される方は、その内容について上記参加登録フォームからお申し出ください。トーク原稿の事前配布、当日のトークに際しての字幕設定、グーグルドキュメントを使用した筆談などの提供を予定しております。その他にも具体的なご要望やご提案がございましたら、上記の参加登録フォームにご記入ください。

ゲストスピーカープロフィール

纓田 宗紀 (オダ ソウキ)
1989年生まれ。アーヘン工科大学歴史学科博士候補生、ゲルダ・ヘンケル財団奨学生。専門は西洋中世史、教皇史。2018年4月第一子誕生、同年9月よりドイツ在住。共編著に『欧米圏デジタル・ヒューマニティーズの基礎知識』(文学通信、2021年)。論文に「アトリエに吹く風:デジタル・ヒストリーと史料」(共著、『西洋史学』第268号、2019年)。
researchmap: https://researchmap.jp/ODA_SOKI
参考:「コロナ禍の海外家族生活─ドイツ・アーヘンからの報告」(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 特設サイト「COVID-19とフィールド・ワーカー」、2020年12月)https://fieldnet-sp.aa-ken.jp/439

【開催告知】配信時代のアウトリーチ(9/25 21:00-)

「私たちの研究は私たち以外に届いているのだろうか?」
…研究者なら1度は考えるだろうこの問いに、あなたはどう答えを出しますか。

近年、大学が生み出す知、とくに人文学の知が軽視されるなかで、研究者による社会へのアウトリーチの重要性が叫ばれています。2019年7月に開催した企画「バズる(?)アウトリーチのすすめ——公益性のある情報発信に向けて」では、研究者はいかにアウトリーチすべきか、若手研究者2名、編集者1名からお話を伺いました。

ですが、研究者がアウトリーチを行ったとして、はたしてそれは「アカデミア外」に届いているのでしょうか。YouTube、オンライン・セミナー、podcast etc…歴史にまつわる「面白く」て「ためになる」コンテンツは、今も昔もさまざまなメディアに溢れています。そのなかで研究者の発信は「小難しくて」「簡潔でない」つまらないものと看做されてはいないでしょうか。

本イベントでは、アカデミア内外で活発な活動を繰り広げる2人の研究者をお呼びし、配信時代のアウトリーチについてお話を伺います。YouTubeが主な情報インフラと化し、学術交流の中心もオンラインに移行しつつある現代にあって、研究者によるアウトリーチの可能性はどう開かれているのでしょうか。

さあ、あなたも一緒に「配信時代」のアウトリーチについて考えてみませんか?

日時・場所

日時|2021年9月25日(土)21~23時
場所|歴史家ワークショップ公式YouTubeチャンネル生配信
参加登録|不要

当日はTwitterハッシュタグ #歴史家ワークショップ にてコメントや質問も受け付けます。

登壇者

藤村シシン|古代ギリシャ研究家
高校の時にアニメ『聖闘士星矢』に熱中し、以来古代ギリシャ史の世界に。東京女子大学大学院(西洋史学専攻)修了。NHK講座講師、執筆、監修などのかたわら、古代ギリシャの祭りを再現する「古代ギリシャナイト」を主宰。著書に『古代ギリシャのリアル』(実業之日本社)、『小学館の図鑑NEO 星と星座(新版)』監修協力、2020年東京オリンピック採火式NHK生中継での古代ギリシャ語同時翻訳など。
YouTubeチャンネル「藤村シシン古代ギリシャ

ヒロ・ヒライ|コロンビア大学リサーチ・アソシエイト(ルネサンス学)
1999年より学術ウェブサイト bibliotheca hermetica(略称BH)を主宰。同年にフランスのリール第三大学にて博士号(哲学・科学史)取得。欧米各国の研究機関における研究員を歴任。英仏伊語による編著・論文多数。2012年に第九回日本学術振興会賞受賞。編著書に『ルネサンス・バロックのブックガイド』(工作舎)など。
YouTubeチャンネル「BHチャンネル


皆さまの温かなご支援を心よりお願い申し上げます
歴史家ワークショップ支援基金

【参加者募集】Front Runner Series: 多言語論文執筆セミナー Vol. 9(9/8 14:00-15:30)

※こちらのイベントでは小俣ラポー日登美さんにお話をうかがう予定でしたが、事情により小俣さんのご登壇はキャンセルとなりました。つきましては、Front Runner Series Vol. 9 はスピーカーとして山本浩司さんをお迎えし、当初の予定どおり9月8日に開催いたします。

歴史家ワークショップでは、9月8日(水)14:00~15:30(日本時間)に、「Front Runner Series: 多言語論文執筆セミナー Vol. 9」と題したオンライン・セミナーを開催いたします。また同日15:30~16:30には、任意参加の懇親会を予定しております。

開催概要

日時|9月8日(水)14:00~15:30:セミナー/15:30~16:30:懇親会(任意参加)
ゲストスピーカー山本浩司さん(東京大学・経済学研究科准教授)
ファシリテーター米倉美咲(京都大学・修士課程)、長野壮一(フランス社会科学高等研究院・博士課程)
費用|無料
場所|Zoom を利用したオンライン開催(リンクは、登録フォームにご記入のメールアドレスへイベント当日の朝に送付します)
登録https://forms.gle/HBiGQTA2HtqUdQQH8

※歴史学系の学生・研究者のみならず論文執筆や外国語での執筆にご関心のある方は、どなたでもお気軽にご登録ください。

このセミナーでは、とくに歴史学分野で活躍するノンネイティヴの若手研究者から外国語(もしくは非母語)での執筆経験談を共有していただくことで、「外国語(もしくは非母語)での論文執筆における壁」を乗り越えるヒントの得られる場を提供することを目的としています。具体的には、外国語(もしくは非母語)での論文執筆にさいして実践している工夫から、博士論文・単著・編著の一章分など異なるフォーマットの書き分け方まで、スピーカーの体験にもとづいたスキル面の情報提供をおこないます。それだけでなく、国外の出版社からの出版、留学、研究の進め方、国際学会でのネットワーキングなど、外国語(もしくは非母語)での論文執筆に関わる経験談もお話しいただきます。最後に、質疑応答や懇親会をつうじて、参加者のみなさんと外国語(もしくは非母語)での執筆にかんする悩みや体験談を共有することで、この問題についての理解を深め、実践のための知恵を蓄積することをめざしています。

今回は、予定を変更して設立当初から歴史家ワークショップの活動に携わっている東京大学経済学部准教授の山本浩司さんをお招きし、米倉美咲(京都大学・修士課程)と長野壮一(フランス社会科学高等研究院・博士課程)がファシリテーションを担当します。英語での学術研究書(単著・編著)を出版する過程での工夫や苦労、海外の研究機関において学際的な研究経験を積んでこられたご経験などについて、ざっくばらんにお話しいただきます。

ご関心のある方は、ぜひお気軽にご参加ください。

スピーカー・プロフィール

山本浩司リサーチマップ
2003年慶應大学法学部政治学科卒業後、ロータリー国際親善奨学生に選出され【英】ヨーク大学18世紀研究所および歴史学科にて2004年と2005年に18世紀研究と歴史学で修士号を取得。2009年に同大学に博士論文を提出し、その後2016年までロンドン大学、セント・アンドリューズ大学、パリ第7大学、ケンブリッジ大学でポスドク研究員として活動。2016年4月に東京大学経済学研究科専任講師に着任、5月に歴史家ワークショップ第1回の企画・運営に携わる。2018年10月より准教授。

主な研究分野はイギリス近世史・経済史・経営史で、今後の研究テーマは1)インフォーマルセクターにおける女職人の管理統制、2)インフラ整備における院外民主主義の役割、3)商品としてのステレオタイプ、4)南海泡沫事件。

主要業績
Koji Yamamoto, Taming Capitalism before its Triumph, Oxford University Press, 2018.
Koji Yamamoto (ed.), Stereotypes and Stereotyping in Early Modern England: Puritans, Papists and Projectors, Manchester University Press, forthcoming.

関連動画 (2011年時点で研究生活について振り返ったもの。視聴は必須ではありません。)

参加登録

参加をご希望の方は、こちらのフォームよりご登録をお願いいたします。

ご質問などございましたら、こちらまでお気軽にご連絡ください。
Front Runner Series 企画運営:米倉美咲(京都大学大学院・修士課程)
front.runner.series@gmail.com

スキル・ワークショップ「歴史地図を描く」開催報告

去る7月27日、スキル・ワークショップ「歴史地図を描く —研究発表に使える作画法—」が開催されました。その内容について、参加者の北川涼太さん(広島大学)にレポートを執筆していただきましたので、以下に掲載します。

趣旨説明

2021年7月27日(火)の19時から、スキル・ワークショップ「歴史地図を描くー研究発表に使える作画法ー」がオンライン形式で開催された。研究報告や論文執筆に際して、当時の状況を示した地図を利用しなければならない、あるいは利用したいと思うことは多い。しかし自分のニーズに合った地図を見つけ出すのは困難であり、だからといって手書きで作成するとしても、膨大な手間と時間がかかってしまう。

今回、講師を務めていただいた衣笠太朗先生(秀明大学)は、著書『旧ドイツ領全史ー「国民史」において分断されてきた「境界領域」を読み解く』(パブリブ、2020年8月)執筆時に、こうした歴史地図をめぐる問題と向き合うこととなった。衣笠先生は歴史地図や製図の専門家というわけではなく、試行錯誤の末、インターネット上のフリーデータとフリーソフトを用いて歴史地図を作成するという方法にたどり着いたのである。

ワークショップの概要

ワークショップは、レクチャー編と実践編と2パートから構成された。

まずレクチャー編では、衣笠先生が30分ほど、デジタルを用いた歴史地図作成のプロセス、とくにその際使用するフリーデータとフリーソフトについて説明された。デジタルで歴史地図を作成するメリットは、地図の加工・編集が容易なことである。手書きであれば、下敷き地図やトレーシングペーパーなどを用意しなければならず、完成までに数多くの工程をこなさなければならない。そしてやっと仕上がった完成品も加工がしづらい。それに対してデジタルでは、インターネットから編集用のフリーソフトとフリーの地図データを入手することができ、自由に変形したり編集することが可能で、さまざまな形で利用することができる。しかも、作業に使用するパソコンは、とくにスペックが高くなくても問題ない。歴史地図作成のために、専用の作業環境を整える必要がないのである。

具体的なプロセスは、フリーの白地図データと、その下敷きとなる歴史地図のデータをダウンロードした後、フリーソフト上で両者を重ね合わせ、下敷きの地図から白地図へ必要なデータ(地形・境界線・都市など)をトレースしていくことになる。その際、使用する白地図のデータはベクター画像でなければならない。ベクター画像であれば、画像を縮小・拡大・変形したとしても乱れることがない。

そして実践編では、1時間程度の時間をとり、16世紀神聖ローマ帝国の歴史地図を実際に作成した。参加者は、衣笠先生の作業の様子を見ながら、気になった点を質問したり、自分の手元で同じ地図作りを体験することができた。レクチャー編で基本的な流れが説明されていたとはいえ、いざ地図を作るとなると、いろいろな細かい問題に出くわすこととなる。この実践編では、そのつど疑問点を質問しながら、歴史地図が作成されていく過程を確認、あるいは実際に体験することができた。

参加者の意見(アンケート結果より)

よかった点

  • 口頭での説明に加えて実際の作業の様子を見ることができ、地図作成プロセスのイメージを持つことができた。
  • 掛け合いで進む方式のため、一人がまとめて講演するより、飽きることなくわかりやすかった。
  • 地図作成は教員の仕事(授業資料やテスト作成など)でないと困る技術だが、直接情報を得ることが難しい。今回の企画はまさに「かゆいところに手が届く」企画だった。

気になった点

  • 実践編で、細かい作業に集中していたら、全体でどの作業について説明しているのかわからなくなってしまった。チャットで、現在どの作業について説明しているのか知らせてほしい。
  • 未経験者に2時間半(休憩無し)はしんどく、途中で集中が切れてしまった。
  • 衣笠先生が紹介された方法より、もっと効率的なやり方がある。そちらについても紹介してほしい。

企画・司会:吉田瞳(京都大学大学院文学研究科博士後期課程・ドイツ中近世史)
執筆:北川涼太(広島大学・博士課程後期)


※運営追記

講師の衣笠先生のご厚意により、当日のワークショップの様子をYouTubeにて公開する許可をいただきました。以下にリンクいたしましたので、ぜひお役立てください!

【参加者募集】スキル・ワークショップ「歴史地図を描く—研究発表に使える作画法—」開催のお知らせ

歴史家ワークショップでは、7月27日(火)にスキル・ワークショップ「歴史地図を描く—研究発表に使える作画法—」を開催いたします。本イベントでは、歴史地図の描き方を、『旧ドイツ領全史』(パブリブ)著者の衣笠太朗先生(秀明大学)に、オンラインにてレクチャーしていただきます。歴史学を専攻する大学生・大学院生だけでなく、ひろく歴史に興味のある方に向けた内容になっております。

当日は、企画者の吉田による司会進行のもと、講師の衣笠先生から、フリーデータ&フリーソフトを使った歴史地図の作成方法をお教えいただきます。あなたも「自分の研究にぴったり」な歴史地図を描いてみませんか?

開催概要

日程|7月27日(火)19時〜(18:45~入室可)
場所|Zoom開催。URLは申し込み後に参加者に連絡します。
言語|日本語
参加費|無料
参加申込フォームhttps://forms.gle/jp9o5gCuy49LH1xc7
登録締め切り|7月20日(火)

講師プロフィール

衣笠太朗|秀明大学 学校教師学部 助教
著書:『旧ドイツ領全史―「国民史」において分断されてきた「境界地域」を読み解く』(パブリブ、 2020年8月)

企画・司会|吉田瞳(京都大学大学院文学研究科博士後期課程・ドイツ中近世史)
連絡先|inkaffeepause☆gmail.com (☆を@に変えてください)

Front Runner Series vol. 7 の資料を共有します

2021年5月20日(木)に開催された Front Runner Series vol. 7 はおかげさまで盛況のうちに終了いたしました! 登壇者の仲田公輔さんから使用したスライドを共有いただきましたので公開いたします。

次回 Front Runner Series は7月15日に開催予定です。奮ってご参加ください!

【参加者募集】Front Runner Series: 多言語論文執筆セミナー Vol. 8(7/15 17:00-18:30)

歴史家ワークショップでは、7月15日(木)17:00~18:30(日本時間)に、「Front Runner Series: 多言語論文執筆セミナー Vol. 8」と題したオンライン・セミナーを開催いたします。また同日18:30~19:30には、任意参加の懇親会を予定しております。

開催概要

日時|7月15日(木)17:00~18:30:セミナー/18:30~19:30:懇親会(任意参加)
ゲストスピーカー中尾沙季子さん(京都精華大学国際文化学部・専任講師)
ファシリテーター山田智輝(京都大学・博士後期課程)
費用|無料
場所|Zoom を利用したオンライン開催(リンクは、登録フォームにご記入のメールアドレスへイベント当日の朝に送付します)
登録https://forms.gle/Tvo29dS1u8jz3yYL7
※歴史学系の学生・研究者のみならず論文執筆や外国語での執筆にご関心のある方は、どなたでもお気軽にご登録ください。

このセミナーでは、とくに歴史学分野で活躍するノンネイティヴの若手研究者から外国語での執筆経験談を共有していただくことで、「外国語での論文執筆における壁」を乗り越えるヒントの得られる場を提供することを目的としています。具体的には、外国語での論文執筆にさいして実践している工夫から、博士論文・単著・編著の一章分など異なるフォーマットの書き分け方まで、スピーカーの体験にもとづいたスキル面の情報提供をおこないます。それだけでなく、国外の出版社からの出版、留学、研究の進め方、国際学会でのネットワーキングなど、外国語での論文執筆に関わる経験談もお話しいただきます。さらに、質疑応答や懇親会をつうじて、参加者のみなさんと外国語での執筆にかんする悩みや体験談を共有することで、この問題についての理解を深め、実践のための知恵を蓄積することをめざしています。

今回は、京都精華大学国際文化学部・専任講師の中尾沙季子さんをお招きし、山田智輝(京都大学・博士後期課程)がファシリテーションを担当します。フランス語での論文執筆・投稿における目標や工夫・苦労、フランスでの博士論文執筆のご経験、アカデミック・キャリアのあゆみなどについて、ざっくばらんにお話いただきます。

ご関心のある方は、ぜひお気軽にご参加ください。

スピーカー・プロフィール

中尾沙季子リサーチマップ
京都精華大学国際文化学部グローバルスタディーズ学科・専任講師
フランス国立社会科学高等研究院博士課程修了、博士(歴史学)
専門分野は、西アフリカ現代史、広域フランス語圏地域文化研究
おもな研究テーマは、アフリカ大陸、南北アメリカ大陸、カリブ海地域のアフリカ系といわれる人びとのアイデンティティの形成過程

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